当科で可能ながん種別の放射線治療の適応
- 肺がん、乳がん、膵がん、食道がん、喉頭がん、咽頭・鼻のがん、甲状腺がん、悪性リンパ腫、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、腎がん、大腸がん、肝臓がん、胆のう・胆管がん、胃がん、脳腫瘍、皮膚がん・悪性黒色腫、小児脳腫瘍、小児固形腫瘍
小児脳腫瘍に対する当科で実施可能な放射線治療
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放射線治療の役割は、根治照射(腫瘍を消失させる)、術前・術後照射(根治率を高める)、緩和照射(症状を和らげる)などに分けられます。
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脳腫瘍は大きく良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられます。良性腫瘍であっても、身体に悪い影響を与えたり、生命に関わる場合、治療対象となることがあります。良性腫瘍に対する根治治療としては、腫瘍の性質や広がり、存在する場所、腫瘍による身体症状などにより、手術または手術+放射線治療または放射線治療が選択されます。
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当院における脳腫瘍に対する放射線治療は、放射線をできるだけ腫瘍に集中することで治療効果を上げ、正常組織への余分な照射を少なくすることで副作用を軽減するために、強度変調放射線治療(IMRT)や定位放射線治療 (ピンポイント照射)などの高精度放射線治療を積極的に活用しています。
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小児の良性腫瘍は放射線治療の適応となることは少なく、基本的に手術が優先されますが、手術が難しい場所であったり、手術で取り残しがある場合、手術後の再発などでは、放射線治療で根治を目指すことがあります。特に聴神経腫瘍では、定位放射線治療(STI)を行うことにより、手術と変わらない腫瘍制御や聴力・顔面神経温存が期待できます。
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脳から発生した脳原発悪性腫瘍の場合、手術+放射線治療(+抗がん剤・分子標的薬)が選択されることが多くあります。手術で腫瘍をできる限り取り除いた後に放射線治療を行うことで、腫瘍の完全消失を目指します。(術後根治照射)
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他のがんから脳に転移したり、脳に再発が見られた場合、腫瘍のサイズが大きかったり、神経症状がある時には手術を行うこともありますが、放射線治療で癌の消失を目指すことが選択されることが多くあります。特に定位放射線治療(STI)は体の負担が少なく手術に近い局所制御が得られます。(転移巣に対する根治照射)
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脳転移が無数にある場合や全身状態が良くない場合でも、放射線治療によってさまざまな生活の質(QOL)を悪化させる原因を和らげたり取り除いたりする効果が期待できることがあります。(緩和的な放射線治療)