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甲状腺がんに対する当科で実施可能な放射線治療

①外照射による放射線治療

  • 手術が難しい場合、放射線ヨード内用療法が適応とならない場合や、高齢や合併症がある場合、又手術を希望されない場合などに外照射による放射線治療が有効です。

  • 腫瘍からの出血の止血疼痛の鎮痛や気管や食道の圧排の解除手術後の再発の予防、また骨転移に伴う疼痛神経症状の緩和を目的に行います。

  • 手術後に少数個(1~3個程度)の遠隔転移 (オリゴ転移を生じた場合にも、薬物療法や放射性ヨード内用療法に加え、救済的な外照射による放射線治療を選択することが可能です。

  • 遠隔転移の部位は、頸部、縦隔、腹部などのリンパ節転移、肺や肝臓の転移、骨転移などが対象となります。

  • さらに当院では放射線治療の治療効果を高める目的で温熱療法(後述)の併用が可能です。

  • 脳転移を生じた場合にも放射線治療が有効です。当院では、強度変調回転放射線治療(VMAT)を用いた定位放射線治療(ピンポイント照射)が可能です。患者さんに負担の少ない短い治療時間で、脳転移の高い制御効果が期待できます。

温熱療法 (ハイパーサーミア)

  • 甲状腺分化がんは、外照射による放射線治療の治療効果得られにくい放射線抵抗性の腫瘍に分類されます。

  • 当院では、甲状腺分化がんに対して放射線治療の治療効果を高める目的で温熱療法を取り入れています。

  • がんの存在する領域の皮膚表面を2方向からパットで挟み込み高周波電流を流して加温します。

  • 1回の加温時間は40~60分程度で、週に1~2回、放射線治療を行っている期間中に総5回程度行います。

(下記治療は当施設では実施できず、他施設での実施となります)

放射性ヨード内用療法

  • 甲状腺分化がん(乳頭がん、濾胞がん、低分化がん)では、甲状腺全摘術後に再発や転移のリスクが高い場合に、放射性ヨード内用療法を行います(アブレーション)。放射性ヨードカプセル (I-131)を内服し治療します。

  • 肺、骨などの遠隔転移に対する治療に対しても行うことが可能です。アブレーションと比較して大用量のI-131を用います。

 

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